申し送りとは
仕事を引き継ぐ際に必要な情報を伝えることを申し送りと呼びます。進捗具合や仕事中に起きた事柄を後任に伝えます。似たような意味を持つ単語として「引き継ぎ」がありますが、これとは少し異なります。引き継ぎは作業を代わりに行うことを指す言葉であって、申し送りはあくまで必要な情報を伝えるといった意味合いです。申し送りは「伝えること」を主な目的としています。
方法は様々
申し送りの方法については現場によって異なります。口頭で伝える、ノートに記録する、パソコンやタブレットに必要な情報を入力するなど、方法はいくつか存在し、それぞれにメリット・デメリットがあります。口頭で伝える方法なら状況に応じて素早く柔軟に対処できますし、ノートやパソコンなどに記録する方法は確実性が高いです。
申し送りの必要性
昼夜問わず患者と関わることになりますが、24時間1人だけで対応するのは不可能です。そのため、日勤から夜勤への申し送りが必要になります。患者の体調や訴えを正確に伝えることができなければ、後々命に関わる医療事故が発生する恐れもあります。非常に重要な作業なので、小さな変化であっても漏れなく後任に伝えるようにしなければなりません。
また、患者のことをより深く知るためにも申し送りは必要です。患者に何度も同じことを聞くのは失礼にあたるので、どのような人柄なのかをスタッフ全員で共有しておきます。何が好きなのか、あるいは嫌いなのかなど、細かい部分まで記録しておきましょう。申し送りがしっかりされていれば、サービスを均一に提供できます。後任が同じ水準でサービスを提供することで患者の満足度が上がり、治療に対しても前向きな気持ちで取り組んでくれます。
自分自身を守るためにも申し送りは必要です。患者が体調不良を訴えた際などは申し送りの内容が重要になります。どういった対応をしたのかを詳細に記録することで、患者本人や家族にきちんと説明できます。
申し送りはケアプランや研修内容の見直しを行う際の記録としても役立ちます。看護師だけでなく、医師や栄養士など様々なスタッフが申し送りの内容を参考にします。また、新人看護師の研修に用いられることもあるでしょう。経験したことを周囲に共有し、それをチームとして活かすことができるのです。